好調のオアシス

運動時の血圧の上昇度は、年齢とともに増加しますが、運動の強さが強いときは、年齢に関係なく末梢の血管の抵抗が低下して血管が開いてきます。 ときに、運動時に過剰に血圧が上昇する現象がおこることがあります。
この現象は、高血圧の患者さんに多く、とくに五十歳過ぎの男性患者さんによくみられます。 安静時に血圧が正常でも、運動時の血圧が異常に高い人がいます。
このような方は、将来高血圧になりやすいという報告があります。 わたしの場合、五段階目くらいまで十数分間、負荷をおこなったのですが、上の血圧はなんと230m地まで上がってしまいました。
もしかするとわたしは、簡単に高血圧になってしまう身体なのかもしれません。 ふしぎなことにこの異常血圧上昇と心臓の機能とは直接関連性がないようです。
トレッドミル運動負荷テスト中の上の血圧が、もしも250m地以上になったとしたら、ただちに試験を中止しなくてはなりません。 脳卒中にでもなったら困るからです。
わたしの人体実験は、脳卒中一歩手前までいっていたのです。 運動負荷テストでは、血圧のほかに、心電図に狭心症(心臓を養う血管が細くなっておこる病気)の変化がでたり、不整脈(脈が乱れる病気)がおこったり、動惇、息切れ、めまいなどの症状がおこった場合はただちに中止します。
はじめて運動をはじめる方は、トレッドミル運動負荷テストをはじめとする運動負荷テストを受けることが望ましいと思われます。 なぜなら、運動することによって普段隠れていた心臓の病気が、表にでてくるからです。
中の突然死をまとめました。 五年間に六百二十四件のスポーツ中の突然死が発生しています。

一年間に平均百二十四件おこっている割合になります。 はじめてジョギングをした方が突然死したケースもあります。
身体によいと思ってはじめた運動で命を落とさないために、高血圧や心臓病などの病気をもっている人のみならず、自分は健康であると思っている方も注意が必要です。 運動は大きく静的運動と動的運動のふたつにわけられます。
静的運動とは、大きな動きがなく、等尺性運動(一定の力で、筋肉に負荷をかける。 例U重量挙げ、エキスパンダー、ダンベル)や、等張性運動(同一動作で、同一重量の負荷をくりかえす。
腕立てふせ、ボート漕ぎ)があります。 これにたいして、動的運動には、有酸素(アロビック)運動と無酸素(アネロビック)運動があります。
有酸素運動は、酸素を取り込みながら長い間つづけることができます。 例としては、歩行、ジョギング、サイクリングなどがあります。
無酸素運動は、短時間に息をつめておこなうもので、例としては短距離走があります。 さて、一般に運動中は血圧が上昇しますが、重量挙げの話でおわかりのように、静的運動のほうが動的運動より血圧上昇が著しいといわれています。
したがって、いま流行のダンベル体操は血圧の高い人は注意が必要です。 また、ダンベル体操は、運動中に息をこらえたりすることが多く、酸素を取り込むことが少ないので、心臓や血管系などの循環器系にたいしてあまりよい影響がないとされています。

高血圧の患者さんが、薬を飲まずに運動で血圧を下げる方法があります。 高血圧の運動療法です。
血圧の高い人は、運動中の血圧上昇度がそれほど高くなく、心肺機能を高めるとされる動的運動、なかでも有酸素運動がよいと思われます。 すなわち、歩行、ジョギング、サイクリングなどがよいでしょう。
運動中に血圧は上昇しますが、この上昇は運動の強さに比例します。 運動によって上がった血圧は、運動をやめると上がった分だけ下がります。
血圧が高い人は正常の人より血圧の上がり方が大きく、中止後の血圧低下が大きくなります。 前述したように、スポーツ中に突然死をおこすことがありますので、いままで運動をしていなかった人が、事前にじゅうぶんな身体のチェックを受けずに、突然、運動をするのは危険です。
コツはひとつ。 徐々にやることです。
運動の強さは徐々に上げていく。 また、一回の運動はその強言を徐々に上げ、徐々に下げることが大切です。

翌六七年には、アメリカ・シアトルのW大学のJ博士らがトレッドミル運動負荷テストを用いて報告していますし、わが国では八四年にK大学のN先生が、八五年にはF大学のS先生が、自転車を用いて研究の成果を報告していました。 運動をつづけておこなうことによって、血圧は、およそ○○m地程度低下することが実証されつつあります。
九六年四月より、わが国においても高血圧にたいする運動療法に保険が適用されることになりました。 すべての医療施設でおこなわれるわけではありません。
ちょっと、奇異な感じを受けますが、保険が適用になる医療施設は、診療所や二百床以下の病院など小さい施設に限られています。 これ以上大きい病院で保険の適用はありません。
おそらく、政府は大学病院や大きい病院でこの療法をおこなうと、多くの検査をして医療費がかえって上がってしまうと考えているのだと思います。 また、大きな医療施設でこの治療をおこなうと、小さい医療施設には患者さんが来なくなることも懸念しているのでしょう。
高血圧の方が、運動療法をおこなうにあたって大切なのは、運動の種目、運動の強さ、運動の時間、運動の頻度、などです。 なにをどのように、どの程度、どれくらいおこなうか、が重要となります。
運動種目でおすすめできるのは、歩行、ジョギング、自転車などです。 簡単な運動の強さの決め方は、以下の方法でおこないます。
高血圧の患者さんがこの治療をうけるのにはどうしたらよいのでしょうか。 まず、循環器を専門とする医療施設で、心臓病をはじめとする病気をチェックし、運動をはじめてよいかを確かめてもらってください。
わかりきったことをいうようですが、高血圧や心臓病は運動中の突然死の原因になるからです。 わたしからのお願いです。

しつこいようですが、必ず医師の許可をもらってください。 簡単に求めることができます。
一九五七年にカルボーネン先生が発表された計算式があります。 この式を用いて、目標心拍数を求めるのです。
運動の時間は、目標とする運動強度を一回に三十分から六十分間ほどおこないます。 運動の頻度は、週に三回が好ましいといわれています。
全運動時間は、〔一回の運動時間(分)×一週間の頻度×継続期間(週数)〕で表されます。 理論的には上の血圧が○○m地低下するためには、○○の全運動時間が二千五百分になるまで運動を継続する必要があります。
たとえば、一回に六十分間/一週間に三回、運動をつづけると、十三・八週(三・二カ月)で二千五百分に達します。 くどいようですが、運動療法にあたっては、あらかじめ、運動できる状態か否かを医師にチェックしてもらう必要があります。
このほか、動惇などの症状があり、心臓のことが気になってしかたがなくなる心臓神経症という病気も、呼吸のパターンに異常がでるといわれています。 東洋的修養法、たとえばヨーガや座禅などでは、とくに呼吸法が重要視されています。
呼吸が、心と身体が健全にはたらくための要となっているからです。 不安や緊張は呼吸を速くし、身体のリズムを不健全にします。
たとえば、呼吸の回数が多くなると、血液中の炭酸ガスが呼気中にでてしまいます。


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